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魚住かおる『悪霊退散大作戦』



◇2巻(続刊中) ◇朝日ソノラマ ◇ネムキ

大学受験に失敗した遠藤みちるが始めた商売はインチキ霊能者。
初仕事から悪霊に殺されそうになったみちるは、
助っ人として9歳の甥っ子・武衛を呼びよせる。
武衛とともに悪霊・鬼姫退治に挑むみちるだが……。

ブログ復帰記念のマンガは『悪霊退散大作戦』。
『百鬼夜行抄』と同じ『ネムキ』に掲載されている。
隔月発行の雑誌のうえに、『悪霊…』は毎号載っている訳ではないので
コミックになったと知った時は本当に嬉しかった。
絵柄は一見、今市子さんっぽくもあるんだけど、
『百鬼夜行抄』のような、静かな怖さとかちょっと心に残る話とかは
このマンガには一切ない。あるのはただどこまでもお馬鹿さんな叔父と甥っ子の話。
いい加減なみちると、すぐに暴力に走る武衛。二人をバカにしながらも
結局手助けしてしまう元悪霊の鬼姫がかわいい。
巻末の書き下ろしが一番私のツボにはいった。
近所中に聞こえるくらいの大笑いだったと思う。

しかし、本になるまでずいぶん長くかかってるなー。
1巻に収録されているのは第1話から第6話なんだけど
第1話の掲載が2001年で第6話が2004年。
多くて年に2回しか掲載されていない。2002年は1回こっきり。
このペースだと、2巻目は一体いつになるんだろう?
と思っていたら何と11月に2巻目が発売されていた。
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間瀬元朗『イキガミ』



◇2巻(続刊中) ◇小学館 ◇ヤングサンデーコミックス
■『イキガミ』amazonのサイトへ

“生命の価値”を国民に認識させる目的で、制定された「国家繁栄維持法」。
全国民は、小学校入学時に特殊な予防接種を義務づけられている。
その中には特殊なカプセルが混入され、1000人に1人の確率で注入される。
注入された者は、18歳~24歳までの期間に設定された日時に死亡する。
カプセルが注入された国民には、死亡時刻の24時間前に
死亡予告証「逝紙(イキガミ)」が届けられる。
突然の死を警告された若者は、最後の日をどう生きるのか?

まず、「死ぬかもしれない」という危機感を国民全員に与え、
「生命の価値」を高める意識を持たせる目的で定められた
「国家繁栄維持法」という法律の矛盾点について
あえてツッコミを入れないことが、このマンガを楽しむための大前提。

武蔵川区役所・戸籍課の“イキガミ”配達員である藤本賢吾を通して、
イキガミの対象者の事が語られていくストーリー展開。
藤本の配達員としての苦悩も描かれているが、あくまでも彼は第三者。
イジメによって心身ともに傷つけられた青年や、ミュージシャン、介護士……。
様々な境遇の者達に届けられる“イキガミ”。
“イキガミ”の対象者の遺族には遺族年金が出るが、もし対象者が自暴自棄になり、
犯罪を犯した際には、遺族には遺族年金が下りないばかりか、
賠償金を請求され、社会的に追いやられる事になる。

1000人に1人って、宝くじより確率が高いのが恐ろしい。
「24時間後、かっきりこの時刻に死にます」と宣告されたら
自分だったら、どうすっかなー?
やらないといけないことが山ほどあるけど、ショックでボーッとして
一日が終わるというマヌケな事をしちゃいそうで怖い。
「もしかしたら明日死ぬかもしれない」という漠然とした危機感を持って
生きていくのも大切なんだろうけど、変なストレスになると思うと
できるだけ考えたくない。なんだか不安でチクチクする。

1巻では淡々と読んでいたんだけど、2巻では思わず号泣してしまった。
あまり長編にはなってほしくない気もするけれど、
ある意味、人生に妙なやる気を起こさせるきっかけを
作ってくれるマンガだと思う。

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